極光さん作

セスリムニルの片隅にて」

1:72scale

使用キット : モルガ

 

「…少し冷えてきたな」

「そうだな…。クリスマスまでにはこの戦争も終わってくれると良いんだが」

「言えてるよ。今年こそ家族と一緒に祝いたいもんだ。……11時方向に敵影!」

「よし来た!赤い戦友、お客だ。盛大にお出迎えをしてやろうぜ。

 

 

[セスリムニルの戦い]

ガイロス帝国首都ヴァルハラを目指すヘリック軍は、転進してきたガイロス軍主力部隊とヴァーヌ平野において激突した。

その戦線は百キロに及び、西方大陸での全面会戦を上回る大規模な戦闘となった。

特にセスリムニルにおける市街戦は熾烈を極め、またデスザウラーとマッドサンダーが再び激突した戦闘としても有名である。

 

[モルガJ-2型]

第二次大陸間戦争末期に投入された機体で、一部の機構を廃止もしくは簡略化することで生産性を向上させている。

コクピット、アンテナは簡易なものに変更され、車輪脇のスパイクと格納対空ミサイルを廃止。コンテナ部分には迫撃砲を搭載している。

生産開始時期が遅いにもかかわらず相当数が生産されたらしく、国民突撃隊や義勇兵師団などにも多数が配備された。

なお、赤いカラーリングは塗料が不足したため錆止め用プライマーのみを塗装したもの。このような「赤モルガ」はセスリムニルの戦いにおいても20機ほどが確認されている。

 

[製作について]

どこを工作したのかは設定のとおりです。

もう一方の参加機体であるイグアンの製作でとられたコクピットは代わりにコマンドウルフの砲座を改造して搭載し、アンテナを切り落として真鍮線に変更。

コンテナ内の迫撃砲はシャーペンの内部の軸とプラ板などで製作。

装填手席と弾薬箱は戦車の模型から。スパイクや背部のモールド を削り落とし、全体にヤスリ掛けをしています。

塗装はガンダムカラーのレッド(6)にクリアーレッドを重ね塗りしています。プライマーの赤と少し違う色になってしまった気もしますが、まあコレはコレで良い感じです。

コンテナ内部はニュートラルグレー単色。パイロットもジャーマングレーとフレッシュで塗装しています。

ジオラマのベースはダイソーのフォトフレームです。歩道はコルクシートを貼り付け、街路樹は鉄道模型の木(モミジ)を着色して使用。

野砲はフジミの75ミリ砲を使用。砲兵と共に1/76T号戦車に付属したものです。バイクも同じくフジミ製。BMWの戦闘バイクからサイドカーを外して使用しました。

 

[ウェザリングについて]

タミヤのウェザリングマスターを使用。

スポンジを使い全体にサンド、車輪と機体下部を中心にマッド、ガトリング砲の銃口と排気ダクトをススで汚し、

次にブラシを使ってコンテナ内含め全体にサンドをを振り掛けた後、定着させるためつや消しトップコートを吹いています。

ジオラマに使用した野砲やバイクもマッドやサンドを使って汚してあります。

 

 

〜主催者かすかびーとコメント〜

長らくお待たせ致しました!(←最近いつも言ってる^^;

素晴らしいジオラマをご投稿頂き有難う御座います。この手のジオラマは男のロマンですよね。

ついつい世界に入り込みそして童心に返って戦争ごっこ(ゾイドごっこ)をしたくなってしまいそうな感じです。

また意味ありげなカラーリングや無造作に倒れているバイクなど、吸い込まれるかのようにストーリーを読んでしまいました。

読んでなるほど、塗料が不足して錆び止め材でフィニッシュされたカラーリングや生産コストを控える為に

各部の構造が簡易化されている設定が私にとってはとても斬新で面白かったです。

特に車輪のスパイク廃止は、一目見てコスト削減のための量産型というイメージが強く効果的な演出です。

きっと実際の戦争ではこのようなコスト削減は多いのではないでしょうか…

私はミリタリーなど詳しくないので分かりませんが、極光さんの持っているその辺りの知識も反映されているのでしょうね。

さてモルガ本体の方ですが、表面の粗さや半光沢具合がリアルな防錆材の質感です。

窪んでいる部分にはスミイレを施してしっかりクビレをつけてやればさらに良いものになるでしょう。

また尻尾部分の蓋を開けると装甲断面の色がガンメタになっているところなど細かいところで拘りを感じられます。

ひとつ残念だったことはマーキングのシールが浮いてしまっていることです。曲面でしかもザラザラな表面へ貼りこむのは難しいでしょうけれど、

一部カッターで切込みを入れるなどしてしっかり粘着させればリアル感をさらに向上させることが出来ると思います。

また側面の「951」ナンバーは筆塗りしても面白い雰囲気が出たかもしれません。

この度はひじょうに見ごたえのあるジオラマを有難う御座いました。そしてご投稿頂いた際に、撮影アングルなど細かい指摘を何度もしてしまい恐縮でした。

ジオラマの力作ともなると撮影アングルにもついつい熱が入ってしまいます。

実は以前ご投稿頂いたREDさんのジオラマの時も同様に細かい指摘をしてしまいました^^;

極光さんにOKをした時はホッとされていたようですが、他の方もなかなか1度ではOKしておりませんのでご安心下さい(爆)

 

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